結論
新築祝いに「絶対に贈ってはいけないもの」はありません。
ただし火を連想させるもの、壁に穴を開けるもの、 踏んで使うものは、古くから避けるとされてきました。 これらは気にする方がいるという性質の慣習です。 相手の希望が分かっているなら、そちらが優先されます。
この記事の立場
贈り物の「タブー」とされるものには、それぞれ由来があります。ただし由来を知らないまま禁止事項として覚えると、贈り物の選択肢が不必要に狭まります。
この記事では、何が避けられてきたかとなぜそう言われるか、そして現在どこまで気にするべきかを分けて説明します。相手と場面によって答えが変わるためです。
避けるとされるものと、その扱い
| 品物 | 言われている理由 | 現在の扱い |
|---|---|---|
| 火を連想させるもの (ライター・灰皿・赤いもの) |
火事を連想させる | 気にする人は一定数いる。迷うなら外す |
| 壁に穴を開けるもの (絵画・掛け時計) |
新居を傷つける | 希望されているなら喜ばれる |
| 踏んで使うもの (スリッパ・マット) |
「踏みつける」印象 | 目上には避ける。対等な関係なら実用品 |
| 刃物 (包丁・はさみ) |
「縁を切る」 | 希望されることも多い。結婚祝いほど強くない |
| 現金(目上の方へ) | 生活を援助する意味に取られる | 上司には品物が無難。親子なら問題ない |
いずれも失礼にあたると決まっているわけではありません。判断がつかないときに外しておく、という使い方をするための一覧です。
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火を連想させるもの
新築祝いでもっともよく挙げられるのが、火を連想させるものです。ライター、灰皿、ストーブ、そして赤い色のものも含まれます。
理由は火事を連想させるから。木造家屋が中心で、一度火が出れば町ごと燃えた時代の感覚が背景にあります。せっかく建てた家が焼けることを思わせるものは贈らない、という配慮です。
ただし、線引きは曖昧です
この慣習を厳密に適用すると、キャンドル、トースター、電気ケトル、赤いエプロンまで対象になります。実際にはそこまで気にする人は多くありません。
アロマキャンドルは新居の贈り物として定着していますし、調理家電は新築祝いの定番です。「火そのものを扱う道具」と「熱を使う家電」は、受け止められ方が違います。
実際的な整理としては、こうなります。
- ライター・灰皿:火を直接扱う道具。避ける人が多い
- ストーブ・暖房器具:気にする人がいる。希望されているなら別
- キャンドル・調理家電:贈り物として一般的。過度に気にしなくてよい
- 赤い色のもの:気にする人は少数。相手が年配なら避けておく
壁に穴を開けるもの
絵画、額縁、掛け時計、壁掛けの棚。これらは新居の壁に穴を開けることになるため避けるとされてきました。
新築の壁に釘を打つのは、住む人にとって決断のいることです。それを贈り物によって強いる形になるのは避けよう、という配慮です。
ただし、希望されているなら話は別です
新居の壁が殺風景で、飾るものを探している人は多くいます。「時計がまだ無い」「壁に何か掛けたい」と聞いているなら、これ以上ない贈り物になります。
近年は穴を開けずに取り付けられる方法も一般的です。慣習をそのまま当てはめて選択肢から外すより、希望を確認するほうが有益です。
判断がつかない場合は、置き型の時計や、飾る場所を選ばないものにすると、この問題自体が発生しません。
踏んで使うもの
スリッパ、玄関マット、ラグ。踏んで使うものは「踏みつける」印象があるとして、目上の方には避けるとされています。
これは新築祝いに限らず、贈答全般で言われることです。目上の相手に「足で扱うもの」を贈るのは、相手を下に見る形になる、という考え方です。
一方で、友人や同僚など対等な関係であれば、玄関マットもスリッパも実用品として普通に選ばれています。来客用のスリッパは新居で必ず必要になるものでもあります。
| 贈る相手 | 扱い |
|---|---|
| 上司・恩師・目上の親族 | 避けるのが無難 |
| 友人・同僚・兄弟姉妹 | 実用品として問題ない |
| 希望を聞いている | 相手の希望が優先 |
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刃物と現金
刃物
包丁やはさみは「縁を切る」を連想させるとして、贈り物では避けられることがあります。
ただしこの慣習が強く働くのは結婚祝いです。新築祝いでは、それほど問題にされません。むしろ「新生活を切り開く」という解釈で贈られることもあり、キッチン用品として希望されることも多くあります。
現金(目上の方へ)
目上の方に現金を贈るのは、生活を援助する意味に取られるとして避けるという考え方があります。上司や恩師の新築祝いでは、品物やカタログギフトを選ぶほうが無難です。
ただし親子や親族の間では、現金でも失礼にはあたりません。新居で必要なものは家庭ごとに違うため、現金のほうが役に立つという面もあります。
子から親への新築祝いを詳しく見る(現金の扱い)逆に、新築祝いでは縁起がよいとされるもの
避けるものばかりを並べると選べなくなるので、逆の例も挙げます。
| 品物 | 新築祝いでの扱い |
|---|---|
| 観葉植物・鉢植え | 「根付く」として縁起がよいとされる。新居の定番 |
| タオル・寝具 | 何枚あっても困らない。好みが問われにくい |
| 食品・お酒 | 形が残らない。お披露目の場で開けられる |
| カタログギフト | 相手が選べる。新築祝いとは特に相性がよい |
鉢植えはお見舞いでは避けられる品です(「寝付く」に通じるため)。同じ品でも場面によって扱いが逆になる、分かりやすい例といえます。
慣習より実際に困るもの
ここまで慣習の話をしてきましたが、実際に相手を困らせるのは、縁起とは関係のない部分であることが多くあります。
| 困るもの | 理由 |
|---|---|
| 大型の家具・インテリア | 内装は何か月もかけて決めている。置き場所も無い |
| 好みの強い装飾品・置物 | 飾らないわけにいかず、捨てられない |
| 香りの強いもの | 好みが大きく分かれる |
| 生もの・要冷蔵のもの | 不在だと受け取れない。冷蔵庫の容量も取る |
| すでに持っている家電 | 重複する。確認すれば防げる |
火を避けたのに、置き場所に困る大型の飾りものを贈ってしまう——これでは意味がありません。慣習より、こちらのほうが実害があります。
気にするかどうかの判断基準
慣習をどこまで気にするか。判断の軸は3つです。
| 軸 | 判断 |
|---|---|
| 1. 相手が希望しているか | 希望が最優先。慣習より本人の意向が上 |
| 2. 相手が慣習を重んじる方か | 年配の方、格式を大切にする家庭なら避けておく |
| 3. 直接聞ける関係か | 聞けるなら聞く。推測より確実 |
3つとも分からない場合だけ、避けるとされる品を外しておけば十分です。それで選択肢が無くなることはありません。
ケース例:友人が「壁掛け時計が欲しい」と言っている
掛け時計を贈って構いません。「壁に穴を開けるものは避ける」という慣習はありますが、それは相手の希望が分からないときの配慮です。
本人が探しているのに、慣習を理由に外してしまうほうが、贈り物としては的を外します。この場合はデザインの好みを確認するほうがよほど重要です。
よくある質問
新築祝いに絶対に贈ってはいけないものはありますか?
絶対に贈ってはいけないと決められているものはありません。火を連想させるものなど「避けるとされる品」はありますが、これは古くからの慣習であり、気にする方がいるという性質のものです。相手が希望している場合や、贈る前に確認できる関係であれば、こだわる必要はありません。
なぜ火に関するものが避けられるのですか?
火事を連想させるためです。ライターや灰皿、ストーブのほか、赤い色のものも火を思わせるとして避けられてきました。木造家屋が中心で火災が大きな脅威だった時代の感覚が背景にあります。現在ではキャンドルや調理家電のように、贈り物として一般的に扱われているものもあります。
時計や絵画は贈ってはいけませんか?
壁に穴を開けることになるため避けるとされてきました。ただし相手が壁に飾るものを探している場合は、むしろ喜ばれる贈り物になります。近年は穴を開けずに取り付けられる方法も一般的なので、事前に希望を確認できるなら問題にはなりません。
スリッパやマットは失礼になりますか?
踏んで使うものは「踏みつける」印象があるとして、目上の方には避けるとされています。友人や同僚など対等な関係であれば、実用品として選ばれることも一般的です。相手との関係で判断が変わる品といえます。
観葉植物は贈ってもよいですか?
新築祝いでは定番の贈り物です。鉢植えは「根付く」として新居には縁起がよいとされます。ただしお見舞いでは「寝付く」に通じるとして避けられるため、場面によって扱いが逆になります。新築祝いでは、置き場所と世話の手間だけ確認しておけば十分です。
慣習を気にするかどうか、どう判断すればよいですか?
判断の軸は3つあります。相手が希望しているか、相手が慣習を重んじる方か、そして直接聞ける関係かどうかです。希望が分かっているならそれが最優先です。分からない場合や年配の方に贈る場合は、避けるとされる品を外しておけば余計な心配をせずに済みます。
まとめ
- 絶対に贈ってはいけないものはありません。「気にする人がいる」慣習です
- 避けるとされるのは火を連想させるもの(火事の連想)
- 壁に穴を開けるもの(新居を傷つける)。ただし希望されているなら最適
- 踏んで使うもの(踏みつける印象)。目上には避け、対等な関係なら実用品
- 刃物は結婚祝いほど問題にされない。現金は目上にのみ注意
- 鉢植えは「根付く」として新築では縁起がよい(お見舞いでは逆)
- 慣習より、大型のインテリアや好みの強い装飾品のほうが実際に困る
- 判断の軸は希望・相手の考え方・聞ける関係かの3つ
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参考情報
- リンベル ギフトコンシェルジュ「新築祝いを贈る前に熨斗(のし)の書き方、相場、タブー品をおさえておこう」
https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/10977 - 三越伊勢丹「新築祝い・新居祝いに何を贈る?時期・相場・のし紙の書き方とギフトマナーガイド」
https://www.mistore.jp/gifts/newhome/newhome_manner - 高島屋「新築祝いにもらって嬉しいものは?金額の相場やマナーについて徹底解説!」
https://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/story/oiwai/616237/ - 郵便局のネットショップ「【贈る相手別】引越し・新築祝いの相場、マナー、人気ギフトを解説」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
「火を連想させるもの」「壁に穴を開けるもの」を避けるという記述は、参照した情報源で共通しています。 一方、これらを絶対的な禁止事項として示している情報源はありません。本記事はその点を踏まえ、慣習の由来と適用範囲を分けて記載しています。
本記事で紹介している内容は贈答の慣習に関する一般的な説明であり、守らなければ失礼にあたる規則ではありません。 受け止め方は地域・世代・ご家庭によって異なります。相手の希望が分かる場合は、慣習よりもそちらを優先してください。