結論

長寿祝いに「絶対に贈ってはいけないもの」はありません

ただし履物時計・鞄白いハンカチ・菊は避けるとされてきました。 これらは気にする方がいるという性質の慣習です。 相手の希望が分かっているなら、そちらが優先されます。

この記事の立場

贈り物の「タブー」とされるものには、それぞれ由来があります。ただし由来を知らないまま禁止事項として覚えると、選択肢が不必要に狭まります

この記事では、何が避けられてきたかなぜそう言われるか、そして現在どこまで気にするべきかを分けて説明します。相手と場面によって答えが変わるためです。

避けるとされるものと、その扱い

品物言われている理由現在の扱い
櫛(くし) 「苦」「死」の語呂合わせ 気にする方が多い。避けるのが無難
履物
(靴・靴下・スリッパ)
「踏みつける」印象 目上には避ける。希望されているなら別
時計・鞄 「もっと勤勉に」の意味 記念品として贈る例も多い
白いハンカチ 別れ・弔事を連想させる 色柄のあるものにすれば問題ない
菊の花 弔事に使われる 洋菊なら気にしない方も多い
緑茶 香典返しの定番 気にする方は少数。地域差あり
火を連想させるもの 火事を連想させる ライター・灰皿は避けるのが無難

いずれも失礼にあたると決まっているわけではありません。判断がつかないときに外しておく、という使い方をするための一覧です。

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語呂合わせで避けられるもの

もっともよく知られているのが櫛(くし)です。「く」が、「し」がを連想させるという語呂合わせによるものです。

同じ理由で、4と9のつく数字も避けられます。金額なら4万円・9万円、本数なら4本・9本です。長寿祝いでは、この2つの数字をとくに気にする方が多くなります。

櫛は避けておくのが無難

語呂合わせの慣習の中でも、櫛は比較的よく知られており、気にする方も多いものです。代わりになる品も多いため、あえて選ぶ理由がなければ外しておくほうが余計な心配をせずに済みます。

目上への贈り物として避けられるもの

履物(靴・靴下・スリッパ・マット)

足で扱うものは「踏みつける」印象があるとして、目上の方には避けるとされてきました。長寿祝いに限らず、贈答全般で言われることです。

ただし本人が希望している場合は別です。歩きやすい靴や、暖かい靴下を欲しがっている方に、慣習を理由に贈らないのは本末転倒になります。

時計・鞄・筆記具

これらには「もっと勤勉に励みなさい」という意味が読み取られるため、目上の方には避けるとされてきました。仕事道具を贈ることが、励ましと受け取られるためです。

現在は記念品として贈る例も多くあります

この慣習は、退職して仕事を離れた年齢の方にはあまり当てはまりません。実際には名入れの時計を長寿祝いの記念品として贈る例が数多くあります。

「勤勉に励め」という含意が問題になるのは、相手がまだ現役で働いている場合です。還暦のように現役の方が多い年齢では、少し気にしておくとよい程度です。

弔事を連想させるもの

長寿祝いは命に関わる節目のお祝いであるため、弔事を思わせるものはとくに避けられます。

品物理由代わりになるもの
白いハンカチ 故人の顔にかける布を連想。別れの象徴 色柄のあるハンカチ
菊の花 弔事に使われる花 洋菊(ピンポンマムなど)、他の花
白一色の花 供花を連想させる 差し色を入れたアレンジメント
緑茶 香典返しの定番 紅茶、コーヒー、上等な煎茶に華やかな包装を

緑茶については気にする方は少数で、地域差もあります。好物なら選んで構いませんが、包装を華やかにすると印象が変わります。

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老いを連想させるもの(縁起ではなく配慮)

杖、補聴器、老眼鏡、介護用品。これらは縁起の問題ではありません老いを指摘されたと受け取られる可能性があるため、配慮として避けます。

とくに還暦や古希では注意が必要です。まだ現役で活動している方に「そろそろこれが必要でしょう」と受け取られる贈り物は、お祝いの意味を損ないます。

必要としているかは本人にしか分からない

実際に杖を探している方もいます。その場合は喜ばれる贈り物になります。

判断の基準は「本人が希望しているか」の一点です。事前に確認できないなら、選ばないほうが安全です。同居していない家族が推測で選ぶのは避けます。

慣習より実際に困るもの

ここまで慣習の話をしてきましたが、高齢の方への贈り物で実際に困るのは、縁起とは関係のない部分であることが多くあります。

困るもの理由
大きな家具・家電置き場所がない。処分も自分では難しい
使い方を覚える必要があるもの新しい機器は負担になりやすい
手入れの手間がかかるもの世話の必要な植物、こまめな掃除が要るもの
量の多い食べ物食べきれない。食事制限がある場合も
硬い食べ物噛む力によっては食べられない
重いもの持ち運べない。開封も難しいことがある

櫛を避けたのに、食べられない硬い菓子を贈ってしまう——これでは意味がありません。慣習より、こちらのほうが実害があります。

逆に、喜ばれやすいもの

品物向いている理由
家族の写真・アルバム何度も見返せる。場所を取らない
手紙・寄せ書きひ孫まで参加できる。何よりの記念になる
好物の食べ物残らない。少量で質のよいものを
ひざ掛け・寝具日常の快適さが上がる
その年齢の色の小物お祝いらしさが出る。日常で使える
カタログギフト本人が落ち着いて選べる

年齢が上がるほど、物より「時間」や「記録」が喜ばれる傾向があります。写真や手紙は、置き場所も手入れも要りません。

気にするかどうかの判断基準

判断
1. 相手が希望しているか 希望が最優先。慣習より本人の意向が上
2. 相手が慣習を重んじる方か 長寿祝いの相手は年配。気にする可能性は高め
3. 直接聞ける関係か 聞けるなら聞く。推測より確実

長寿祝いは相手が年配であるぶん、他のお祝いより慣習を意識しておくほうが安全です。ただしそれでも、絶対的な禁止ではありません。

ケース例:祖父が「歩きやすい靴が欲しい」と言っている

靴を贈って構いません。「履物は目上に避ける」という慣習はありますが、それは相手の希望が分からないときの配慮です。

本人が欲しがっているのに、慣習を理由に外してしまうほうが的を外します。この場合はサイズと歩きやすさを確認するほうがよほど重要です。

よくある質問

長寿祝いに絶対に贈ってはいけないものはありますか?

絶対に贈ってはいけないと決められているものはありません。櫛や履物など「避けるとされる品」はありますが、これは古くからの慣習であり、気にする方がいるという性質のものです。相手が希望している場合は、慣習より本人の意向が優先されます。

なぜ櫛を避けるのですか?

「く」が「苦」、「し」が「死」を連想させるという語呂合わせによるものです。長寿祝いに限らず、贈答全般で避けられてきました。同じ理由で、4と9のつく数字や金額も避けられます。

時計や靴は失礼になりますか?

目上の方への贈り物としては避けるとされてきました。時計や鞄には「もっと勤勉に」、履物には「踏みつける」という意味が読み取られるためです。ただし相手が希望している場合は問題になりません。実際には記念の時計を贈る例も多くあります。

白いハンカチや菊はなぜ避けるのですか?

白いハンカチは別れを、菊は弔事を連想させるためです。緑茶も香典返しの定番であることから避けられることがあります。いずれも弔事との結びつきによるもので、長寿祝いという場では気にする方がいます。

杖や補聴器を贈るのはよくないですか?

本人が希望している場合を除き、避けるほうが無難です。これは縁起の問題ではなく、老いを指摘されたと受け取られる可能性があるためです。必要としているかどうかは本人にしか分からないので、事前に確認できないなら選ばないほうが安全です。

慣習を気にするかどうか、どう判断すればよいですか?

相手が希望しているか、相手が慣習を重んじる方か、直接聞ける関係かの3つで判断します。希望が分かっているならそれが最優先です。分からない場合は、避けるとされる品を外しておけば余計な心配をせずに済みます。

まとめ

  • 絶対に贈ってはいけないものはありません。「気にする人がいる」慣習です
  • は「苦」「死」の語呂合わせ。よく知られており避けるのが無難
  • 履物は「踏みつける」、時計・鞄は「勤勉に励め」の含意
  • 時計は記念品として贈る例も多い。退職後なら含意は薄れる
  • 白いハンカチ・菊・白一色の花は弔事を連想させる
  • 杖や補聴器は縁起でなく配慮の問題。希望がなければ選ばない
  • 慣習より、大きいもの・硬いもの・手間のかかるもののほうが実際に困る
  • 判断の軸は希望・相手の考え方・聞ける関係かの3つ
長寿祝い全体を見る(還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿の一覧)

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参考情報

  1. リンベル ギフトコンシェルジュ「長寿祝いのおすすめギフト・プレゼントと基礎知識(還暦/古希/喜寿/傘寿/米寿/卒寿/白寿)」
    https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/2201
  2. 郵便局のネットショップ「古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿など、長寿祝いの基礎知識とおすすめギフト」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_158.aspx
  3. 高島屋「長寿祝い(賀寿)のプレゼント(還暦、古稀、米寿、喜寿等)」
    https://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/gaju/
  4. 三越伊勢丹「還暦、緑寿。長寿祝いの贈り物にふさわしいものは?」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/oiwai/chouju_iwai/article/kanreki.html

櫛・履物・時計を避けるという記述は、参照した情報源で共通しています。 一方、これらを絶対的な禁止事項として示している情報源はありません。本記事はその点を踏まえ、慣習の由来と適用範囲を分けて記載しています。

本記事で紹介している内容は贈答の慣習に関する一般的な説明であり、守らなければ失礼にあたる規則ではありません。 受け止め方は地域・世代・ご家庭によって異なります。ご本人の希望が分かる場合は、慣習よりもそちらを優先してください。